こんにちは、元農協職員の鈴木です。
社会的にうつ病が話題になっていると思いますが、農協職員も例外ではありません。
というのも、僕の学生時代の友人が一緒に農協に入組したのですが、うつ病になり退職しています。
今回はその友人についてお話したいと思います(本人からここに記載する許可はもらっているのであしからず)。
なお、最後に友人からも一言あります。
目次
農協職員の友人がうつ病になって退職するまで
はじめに友人について簡単に紹介します。
大学卒業後、農協に入組。共済窓口に配属となりました。
やる気に満ち溢れて入組した農協ですが、1年目のときにうつ病により休職します。
彼をそこまで追い込んだのは2人の男の先輩職員でした。
休職と復職を繰り返すのですが、一度農協で壊れてしまった心は農協に居続けても治ることがなかったようで、入組から2年目のときに退職します。
気持ちが沈むような内容が続くかもしれないので、苦手な方は読まないほうが良いと思います。
農協職員の友人がうつ病になった理由
農協の中でも比較的大きな支店の共済窓口に配属となりました。
上司はみな優しく良い人だったようですが、そこにいた2人の先輩(1人は同じ共済窓口、もう1人はLA)から酷いパワハラを受けたようです。
友人曰く、いつからそういう風な扱いを受け始めたのかは記憶にないようです。
ただ、はじめから感じの良い人たちではなかったそうです。
農協職員の友人がうつ病になり退職するまで
先輩のパワハラ
新人なので分かる仕事のほうが少なく、毎日メモを取りながら、上司の指導を受けて仕事していました。
それと合わせて、同じ共済窓口の先輩に分からない点を教えてもうおうと話しかけるのですが、「自分で考えろ」と言われるだけで全く相手にされず、2人でこちらを見てはニヤニヤして馬鹿にしている様子だったそうです。
周りの職員とは楽しそうに会話しているのに、何故か彼にだけはひたすら敵意をむき出しにする。
そんなことが入組してすぐの1年目からはじまります。
- ほとんど無視される
- たまに言葉を交わしても悪口
このままではいけないと感じ向き合う決心をする
友人は、何か自分が知らぬ間に不快な思いをさせたのかもしれない、もしくは何か誤解されていることがあるのかもしれないと考え、先輩と向き合う決心をしたそうです。
「自分のせいで先輩たちの気分を害して、すみません。僕の何がダメなのでしょうか?」
それに対しても無視をされ、もう無理だなと感じ、上司に相談をしました。
ところが、上司は「まさか!彼らはそんなことしないよ!気にしすぎなんじゃないのかな?ま、優しくしろと言っとくよ」と笑うだけで相手にしてもらえなかったそうです。
たしかに、まわりに人がいる時は露骨な態度はないので、気が付かないもの無理はないのかもしれないと思ったそうですが、上司が欠片も分かってくれないというのもかなりダメージを受けたようです。
さらに酷くなるパワハラ
上司は包み隠さず先輩に伝えたようで、先輩からの扱いはそこからさらにエスカレートしていったそうです。
罵倒されることは日常茶飯事になっており、次第に物を投げられるようになっていったようです。
消しゴムやボールペンが飛んでくるそうです。
とうとう限界をむかえ、もう一度上司に相談したようですが、「気にし過ぎだと思うよ、肩の力の抜いて行こうよ」ですまされます。
「なんでこんなことされないといけないんだ…」
「居場所はない」「味方もいない」そう思うと、死にたいという感情が溢れてきて、涙が止まらなかったと言います。
支店の屋上から飛び降りたら楽になれるのではないか、と本気で考えたそうです。
うつ病と診断される
朝起きると、涙が止らず、体が動かなくなり、はじめて仕事を休んだそうです。
そのとき、家族の勧めで心療内科を受診。
うつ病と診断され、医師からは「最低でも1カ月は仕事を休みましょう」と言われたそうです。診断書を上司に提出し、休職となりました。
このときにようやく上司は事の重大さに気が付いたようでした。
友人から僕に連絡があったのもこのタイミングで、力になれなかった自分に情けなく思いました。また、あまりにも酷い話で言葉がでなかったです。
復職と休職、そして退職
当初は1カ月の休職でしたが、体調が回復せず、2カ月3カ月と伸びていったようです。
ですが、休職期間が長くなるほど復帰の不安が募るようで、完全に回復していなかったのですが、すこし無理をして復職します。
そのころには定期異動(もしくは上司の計らい)で先輩たちはいなくなっており、まともな職場環境になっていたそうです。
ですが、心に深く付いた傷は自覚症状がなく、目の前に先輩たちが居ないにも関わらず、時折フラッシュバックしては動けなくなることがあったと言います。
そして、もう一度休職となります。
が、それから復職することはできなかったようで、そのまま退職となりました。
農協で壊された心が、農協自体に恐怖を抱くようで、このまま農協にいてはうつ病は治らないと考えた結果だったようです。
うつ病になって農協を退職した友人の現在
今ではすっかりうつ病は良くなり、もう薬も飲んでいないそうです。
ただそこまでくるのに3年かかったと言います。
仕事も幸運にも良い企業に出会え、毎日充実しているようです。
ただ、こうして農協時代のことを思い返すと今でも嫌な気持ちになるようで、「先輩たちのことはきっと一生許すことはできない」「今でもどうしてあんなことをされたのか理由が分からない」と話しています。
僕は友人として、何の役にも立てず本当に申し訳なかったと言うと、話を聞いてもらえるだけで助かっていたよと言ってくれます。
元気になってくれて本当に良かった・・・。
余談ですが、僕が退職するときにも親身に相談に乗ってくれました。
「さきに退職してはダメだ!」
「まずは転職活動をしよう!」
「自分の場合は病気だったから先に農協を辞めたけど、そうじゃないなら、転職先を決めてから辞めた方が絶対に良い!」
というアドバイスをもらいました。
それにも関わらず僕は先に農協を辞めます。そのせいでかなり苦しい思いをしました。
うつ病などの病気が理由の場合は仕方ありませんが、そうではないなら絶対に転職先を決めてから農協を辞めるようにしましょう!
うつ病になって農協を退職した友人から一言
農協に限ったことではありませんが、パワハラで悩んでいる方は心を壊してしまう前にとにかく誰かに相談しましょう!
自分の中で溜め込んではダメです!
自分の状況を聞いてくれるだけで気持ちが楽になれます!
また、うつ病の人は必ず病院に行くようにしましょう!
「うつ病の診断をされると共済加入(自爆)ができなくなるから病院に行かない」などと言う人がいるようですが、絶対に病院に行きましょう!
ノルマと自分のどちらが大切か?
考えなくても分かりますよね?
完全に壊れてしまってからでは遅いんです!
もとに戻るのにたくさんの時間がかかります!
自分を大切にしてください。