こんにちは、元農協職員の鈴木です。
10年農協に勤めて退職し、現在はホワイト企業で働いています。
上記に回答しつつ、農協に勤めることのメリットとデメリットを紹介していきます。
言われなくてもだいたい分かっているよ、という方もいるとは思いますが、客観的にメリットとデメリットを見ることで何かの気付きになることもあるかもしれません。
考えたことないな、という方はこの機会に考えてみても良いかもしれませんね。
農協に勤めるメリットとデメリット
はじめに、農協に勤めるメリットとデメリットをそろぞれ3つ挙げます。そのあとで、詳細解説していきます。
メリット
- ネームバリューがある
- 融資(ローン)が通りやすい
- 明日潰れる可能性が低い
上記が農協に勤めるメリットですね。つづいて、デメリットです。
デメリット
- 給料が安い
- ノルマの自爆がある
- 閉鎖的な環境でプライベートがない
それでは、詳細を見ていきましょう!まずはメリットからです。
農協に勤めるメリット
メリット①「ネームバリュー」
なんと言ってもネームバリューはメリットになります。
日本に住んでいて農協を知らない人は、たぶん居ませんね。それくらい、誰しもが知っている組織です。そのため「農協=信頼できる」という相関を持っている人も存在するくらいです(昔の人に多い考え方かもしれませんが)。
また、ネームバリューは転職時にもメリットになります!なぜなら、企業はバックグラウンドがしっかりした人間を求める傾向にあるからです。
詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
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メリット②「明日潰れる可能性が低い」
大きい組織ということもあるので、「明日いきなり潰れる可能性が低い」のもメリットです。
ただし、農協は徐々に衰退しているので、10年後や20年後は分かりませんのであしからず。尚、事実ですが、この15年の間に300近い農協がなくなっています。下記の通りです。
【出典: https://org.ja-group.jp/find/transition:JA数の推移】
とはいえ、農協は財源の少ない小規模企業と比較すると、万一が起きた時にすぐに潰れてしまうという可能性は低いです。なので、端的に言うと明日や明後日食いっぱぐれるということはないでしょう。
家族を養っている方にとってこのメリットは間違いなく大きいと言えます。一年後の生活が不透明では怖いですからね。
メリット③「融資(ローン)が通りやすい」
農協職員は融資が通りやすいです。これは、農協職員なので農協の融資が通りやすいという話ではありません(農協での融資は当然通りやすいですよ)。
ここであげるメリットは「農協以外の銀行や郵便局の融資」です。
前述の「ネームバリュー」「明日潰れる可能性が低い」というものの恩恵もあるのですが、それ以外にも理由があります。
それは、農協職員が農協外で融資をすると、銀行や郵便局に喜ばれるからというものです。
どういうことかと言うと、通常の場合、農協職員は農協を利用するので、銀行や郵便局を普段利用することはありません。
そのため、銀行や郵便局は、農協職員からの融資審査があると、普段手をつけることができない領域の顧客を獲得できるチャンスになるので、融資が通りやすくなります。
事実、僕は農協時代に低い年収にもかかわらず、銀行が審査に通してくれたことがあります。
農協に勤めるデメリット
デメリット①「給料が安い」
農協に勤めるデメリットは何と言っても、給料が安いことです。「農協=薄給」とよく言われますが、事実です。
農協職員の方なら、もう既に身を持って感じているのではないでしょうか?ちなみに、僕は農協入組時の手取り給料は約12万円でした。
冒頭でもお話したように、僕は農協を10年勤めて退職していますが、大きな昇給はありませんでした。同学年の友人と比較しても給料は本当に安かったです。
また、「年収=年齢×10万円」とも言われており、生活水準を上げるのはかなり厳しいです。
そのうえ前述しましたが、融資(ローン)は通りやすいので、簡単に借金地獄に陥ってしまう職員がでてきます。ぶっちゃけ、それが引き金となって横領に繋がることも…。
どうせ働くなら給料が良い仕事をしたいと僕は思います。
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デメリット②「ノルマの自爆がある」
ご存知の通りかもですが、農協には数多くのノルマが存在しています。
- 共済・貯金
- 食料品
- 電化製品
- 農業新聞・家の光
農協に勤めている限りノルマから逃れる方法はありません。そして、自爆から逃れる方法もありません。
そのため、まず間違いなく自爆を迫られるので、デメリット以外のなにものでもないと言えます。給料が安い上に、ノルマの自爆でお金を農協に返さなければならないので、生活は苦しくなる一方ですね。
また、農協職員のノルマ自爆額の平均は月5~7万円が相場で、年で換算すると60~84万円と高額になっています。年間100万円以上自爆する人も少なくなく、何のために働いているのか正直分からいという状況に陥ります。
ぶっちゃけ、僕がそういう状態でした…。ちなみに、過去最高の自爆額は月10万円超えです。正直、完全に死活問題です。
ですが、農協全体で自爆が当たり前になっているので、入組当初こそ違和感があってもいつの間にか少々の自爆には慣れていく人が多いです。洗脳に近いかもですね…。
とはいえ、ノルマ自爆は本来は違法ということを知っておいて損はないですよ。
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デメリット③「閉鎖的な環境でプライベートがない」
農協は基本的に閉鎖的です。田舎的とも言えます。
隣の家の台所情報を知るというように、古き良き日本の慣習ではないですが、職員のプライベートを皆で共有しようという雰囲気があります。
良い言い方をすれば集団意識が高いともいえるのかもしれませんが…。ぶっちゃけ、大迷惑ですね。
「どこで誰が何をしていた」「あの人がこんなことを言っていた」「あそこの家庭はこんな状況だ」などのプライベートを知りたがる人が多く、またそれを皆で共有しようとするので、ハッキリ言って仕事とプライベートがごちゃまぜです。
仕事は仕事。プライベートはプライベート。適切な距離感は必要だと思います。
農協に勤めるメリットとデメリットのまとめ
メリット
- ネームバリューがある
- 融資(ローン)が通りやすい
- 明日潰れる可能性が低い
デメリット
- 給料が安い
- ノルマの自爆がある
- 閉鎖的な環境でプライベートがない
いかがだったでしょうか?
大きな3つに絞って農協に勤めるメリットとデメリットをお話しましたが、正直、細かなものを挙げるとキリがないくらいメリットもデメリットも出てくると思います。
自分で読み返してみても、デメリットのほうが強い雰囲気を感じがしますが…、
ただ、これは僕が農協を辞めたからこその意見かもしれないと感じることだったりもします。過去に、超ブラック企業に勤めた経験もあるので、そこと比較すると農協は本当に良いとこですよ。
メリット・デメリットは人によって異なるものもあるので、自分にとってのメリット・デメリットを考えてみるのも一考ですね。
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