こんにちは、元農協職員の鈴木です。
農協に10年勤め「営農→MA→LA」を経験しました。現在は大手企業に転職成功することができています。
さて、先日に下記のニュースが話題になりました。
上記について、取り上げたいと思います。業界が大きく動く可能性は大ですよ。
ソフトバンクが農業流通に本格参入!全農・農協は危うし!
ニュースを簡単にまとめると、農業流通にソフトバンクが参入するということです。
これにより、農家の収益に直結する農産物等の販売に進出してくるため、農協利用者を奪いにくるという感じです。加えて、決済サービスも展開するというとで、金融部門にも大ダメージが予想されますね。
なお、ITの分野で全農はソフトバンクに太刀打ちできないなというのが、僕の感想。おそらく、あなたもそう思っているかもですね。
正直な話、農協にITというイメージすらないですからね。
ソフトバンクの参入により、農業流通の全農シェアは崩れる可能性が大で、たぶん業界が大きく動きますね。しかも、決済手段まで波及すると、農協は結構追い詰められるかもしれません。
一つの組織が市場をコントロールし続けていては、業界が確実に低迷します。上記のように競合が生まれることで、その業界が活性化することができます。
なので、農業や農家にとってはプラスになると思います。
時代はいつでも戦いによって変わる
少し大きな話になるかもですが、事実を述べます。大昔から続くことですが、時代の節目には必ず戦いが起きています。
歴史を思い出してもらうと一目瞭然ですが、日本でも世界でも同様ですね。戦いや競争の勝者が、時代の覇権を握ることになります。
長らく全農が握っていた農業市場を、強力な競合の参入により、変革が起きようとしています。そして、これまで競合がいなかった全農にとって、競争を勝ち抜いて成長してきたソフトバンクに太刀打ちできるのか?というのも注目したい点ですね。
ソフトバンクの農業流通改革
記事執筆時点での具体的な取り組みは、「AGMIRU」と呼ばれるECサイトです。これは、農業に利用する資材の見積もりを取り、比較、そのまま購入までできるサービスです。
ちなみに、月額料金を取るような従来のサービスとは異なり、手数料で収益を確保しています。尚、現在の利用者は約5000人。3年で10倍の50000人に増やす方針みたいです。
近い将来、他のIT企業も農業分野に参入する
ソフトバンクのような知名度がないせいで大々的に取り上げられていないだけですが、実際、すでに多くのベンチャー企業が農業市場に参入しています。
個人的に気になった企業が下記です。
- ポケットマルシェ
- ラクーザ
上記の2社です。
簡単に説明すると、どちらもCtoCサイトです。
→Consumer to Consumerの略で、要するに「個人と個人の電子商取引のこと」です。
分かりやすく言うと、メルカリとかがこれに当たりますね。
これを利用することで、今まで「農家→農協・全農→卸→スーパー→消費者」と長かった販売経路を、一気に「農家→消費者」にすることができます。
中継がいないことで、農家は利益の確保が行え、消費者は安く農産物を手にすることができますね。
農家・消費者はサービスを介するとはいえ、直接売買することができるので、食の安心安全面も保障されるはず。また、直接売買になることで農家にリピーターがつく可能性もありますね。そうなれば、農家の安定的な収益確保にもなるので、控えめに言っても最高です。
ソフトバンクが全農に対抗してくるが、朗報もある
正直、ソフトバンクがどれだけの力で動いてくるのかが未知数なので、未来を断言することはできませんが、全農・農協はこれまで以上に頑張っていかなければならないのは事実です。これまでの事業に加えて、ITへの進出は近い将来必ず必要になるからですね。
とはいえ、朗報があります。
それは、農業従事者が総じて高齢にあることです。人によりけりではありますが、高齢者や農業従事者はITなどの先進技術を敬遠する傾向にある方もいます。
また、変化を好まない方々も居ます。これらの層はこれまで通り、全農・農協を利用すると思います。そして、その層はわりと一定数存在し続けると思われます。
ですが、少し先の未来までならという感じです。遠い未来では「IT×農業」は当たり前になるはずなので、そのときまでに全農がどういう方針で事業展開していくのか、注目しておきたいですね。
気になる方は「全農 ソフトバンク」で検索すると、該当ニュースが見つかるはずです。
追伸:ソフトバンク子会社のYahooがZOZOを買収しましたね。今後の動向にさらに注目です!
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