農協職員の悩み

農協はTPPでどうなる?【少し先の未来を予想、ちょっと暗いかも】

2018年10月6日

農協はTPPでどうなる?【少し先の未来を予想、ちょっと暗いかも】

こんにちは、元農協職員の鈴木です。

TPPにより、これからの農業は大きく変化してくことは間違いありません。そして、その農業を専門としている農協も同じように変化していく必要があるでしょう。

今回は、「TPPがどんな影響を農協にもたらすのか?」「TPPで農協はどうなっていくのか?」を紹介します。

合わせて、TPPについてあまり良く分からないという方のためにも、分かりやすく簡単に解説していきます。この機会にTPPについて知っておいて損はないと思います。

TPPとは

TPPとは

TPPとはTrans-Pacific Partnershipの略で、環太平洋戦略的経済連携協定と呼ばれています。

太平洋環状に位置する12ヵ国が連携し、自由で開かれた貿易を目指す協定のことです。

自由で開かれた貿易とは?
→輸入における関税のことを指しています。

関税とは?
→輸入に課せられる税金のことで、輸入商品の価格に税金が乗ることで価格が上がり、輸入品購買にストップがかかります。自由貿易はこの関税をできるだけ無くしてしまおうというものです。

TPPの誕生と日本の参加

2006年にブルネイ・シンガポール・ニュージーランド・チリの4ヵ国からスタートしました。

日本は2013年に参加表明をしています。

その目的は、TPPを通じて経済発展の力にしようという考えのもとでした。

TPPのメリット
→日本は輸出国であるがゆえ、関税が撤廃されると日本の物を多く海外に輸出できるようになります。
これは経済発展に大きな効果をもたらします。

TPPのデメリット
→海外からの輸入商品が安く日本で入ってくるということです。
基本的に日本は国産品の値段が高くなっており、これまで以上に安い輸入品が入ってきては国産品が太刀打ちできなくなると言われています。
そのため参加は表明したものの条件をつけるように交渉していきました。

TPPにおける日本の聖域

TPPのニュースによく聖域という言葉出てきますよね?

これはリアルに存在している地域のことを指しているわけではありません。

TPPの聖域とは?
→海外からの安い輸入品に国産品が対抗するために、一部の品目については関税撤廃を除きたいもののことです。

日本は「米・小麦・乳製品・砂糖・牛豚肉」の5品目を聖域と指定し、それらについては関税を撤廃しないことを前提にTPPの参加を表明にしました。

TPP大筋合意

2015年12カ国でTPP大筋合意となります。

しかし、ここから聖域についての交渉が難航します。

最終的には2018年に以下のようになりました。

関税 現行 合意内容
1kg
341円
豪州産
無関税輸入枠
牛肉 38.5% 16年目以降
9%
豚肉 1kg
482円
10年目以降
50円

補足です。
当初参加を表明していたアメリカは、トランプ大統領の当選によってTPPを離脱しています。そのため、現在では参加が11か国となっており、TPP11と名前が変わっています。

農協はどうしてTPPに反対している?

農協はどうしてTPPに反対している?

農協は、組合員である農家を守るためにTPPには断固反対の姿勢を通しています。

しかし裏を返せば、それは農協は農家組合員によって支えられているので、その部分が倒れてしまっては自分たちも倒れてしまうことになるため、強く反対しているとも言えます。

また一見、農業だけに目が行きがちですが、農協には他にもTPPにより影響をうける事業があります。

それは「金融事業」です。

TPP11の対象には金融も含まれており、良質の金融サービスが海外から導入されることも懸念されています。

収益の多くを金融で賄っている農協は多く存在しており、海外商品との競合を恐れているため、TPPに反対しています。

農家も反対している人が多く、農協が農家の声を代表しているという点では素晴らしいですよね。

農協はTPPでどういう風に変わっていく?

農協はTPPでどういう風に変わっていく?

この15年で農協は統廃合を繰り返し、その数を300近く減らしています。

もともと、先細りが懸念されているところにTPPが重なってくるので、そのダメージは大きいと予想されます。

現在日本の農業(農家)は農協が束ねていることで、その足並みをそろえることに成功しています。ですが、TPPにより貿易が自由化してしまうと、海外産の安い農産物が大量に流れてくるようになります。

それは、これまで農協によって足並みをそろえられていた農業(農家)が競争化することを指します。

今まで競争をしてこなかった農家が突然競争をはじめると、

  • 零細農家や小規模農家は消えてしまう恐れがある
  • 競争により農家の力が強くなり、農協の必要性がなくなる

このようになると、当然農家数が減っていくので、農協の存在理由が今と同じではなくなってしまうでしょう。

とはいえ、競争から外れた中小規模の農家を守っていく必要もあるので、本当になくなるとは考えにくいです。

しかし、今以上に統廃合が進むことで、最終的には各県一農協という体制になっていくのではないでしょうか。そうなれば、職員の数も必然的に減っていくでしょう。

ただし、農業が競争化することは必ずしもマイナスだけではありません!

これは日本の農業目線で考えたときに、国内でも海外でも通用する農業を確立するチャンスにもなり得ます。

TPPをきっかけに日本の農業が変わることで、農業(農家)が力を持った存在になることも可能ではないでしょうか?

そこに農協が本来の関係性(農家が主体であり、農協は農家のための組織)で携わることが、農家と農協の理想とも言えるでしょう。

追記です。
2018年12月30日、TPP発効となりました。今後の農業・農協の動向により注目していきましょう!

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